ブラックホールの仕組み〜なぜ光はブラックホールから脱出できないのか〜

ブラックホールという言葉は聞いたことがあるという方は多いと思いますが、どういう仕組みなのかはうまく説明するのは難しいですよね。

今回はそんなブラックホールの仕組みを、光がブラックホールから脱出できない理由に触れながら分かりやすくご紹介していきます。

 

ブラックホールはとてつもなく圧縮された天体!

ブラックホールは宇宙に存在する、とてつもない重力で光さえも引き込んでしまう天体です。

ではなぜブラックホールはそのようなとてつもない重力をもっているのでしょうか?

結論からいうと「狭い空間に質量が集まっているから」です。

実は狭い空間に質量が集まれば太陽でも地球でも人間でもなんでもブラックホール化することは可能なんです。

何言ってるんだ?と思いましたよね笑。

もちろん理論上の話です。実際にブラックホール化させるにはとてつもなく圧縮させる必要があるのでなんでもブラックホール化させることはできません。

ブラックホール化という現象が起こるのは、人類が知っている限りでは「太陽の30倍以上の恒星が超新星爆発を起こした後に重力崩壊を起こしてブラックホールが生成されるという過程だけです。

超新星爆発(『小学館の図鑑NEO 宇宙』 画像引用)

ちなみに重力崩壊とは恒星が自らの重力によって崩壊する現象です。

通常恒星は自らの中心への重力とそれと逆向きの圧力が釣り合っているのですが、恒星が歳を取ってくると外側への圧力が弱くなり重力と圧力のバランスがくずれ崩壊するのです。

ブラックホールが生成されるほど狭い空間に質量が集まるという条件が、太陽の30倍以上の恒星の超新星爆発でしか満たされることがない(少なくとも人類はその方法しか知らない)ため、実際人間はブラックホールになることはないのです。

また物体は天体から遠ければ遠いほど物体が受ける重力は小さくなるので、光もある程度離れていればブラックホールの重力を振り切ることができます。

ですがある程度近づくと光のスピードをもってしても脱出することができなくなります。光がブラックホールの重力から逃れられなくなる領域を事象の地平面と言います。

先ほど狭い空間に質量が集まればブラックホールができると言いましたが、この事象の地平面の大きさよりも物体が小さくなるとどのような物体でもブラックホール化します。

つまりブラックホールとは「事象の地平面の大きさよりも小さく圧縮された物体」のことなんです。

物体が事象の地平面の大きさよりも小さく圧縮されて光さえも脱出できないブラックホールとなっている” これがブラックホールの仕組みです。

 

ブラックホールが光さえも引き込む理由を分かりやすく

ブラックホールが光さえ脱出できないほどの重力を発生させている仕組みは分かっていただけたかと思います。

ですがまだ光がブラックホールから脱出できないイメージが湧かないという方もいるかと思います。

その方のために、光がブラックホールから脱出できない仕組みを前の解説とは違った角度でご紹介しようと思います。

前の説明がよく分からなかった方は特にご覧になるといいかと思います。

突然ですが皆さんはキャッチボールをしたことがありますか?

当然ですがボールを前上方向に投げたらちゃんと落ちてきて相手にキャッチされますよね。

投げるスピードを速くしていけばボールの飛距離はその分伸びますね。

ということはスピードをめちゃめちゃ速くしていけば飛距離もめちゃめちゃ伸びて地球を一周して自分のところへ戻ってくるということですよね。

もちろんボールを投げて地球一周させるほどの強肩な人などいるはずもありませんからあくまで仮定の話ですが、宇宙ロケットなどでは実際に地球を一周して戻ってこられるほどのスピードを出すことができます。

このように地球を一周できるスピードのことを第一宇宙速度(約 7.9 km/s)と言います。

つまり地表で7.9 km/sで野球ボールを投げればボールが地球一周して自分のところに戻ってくるということです。

では第一宇宙速度以上のスピードを出した場合はどうなるでしょうか?

第一宇宙速度でのボールの軌道は地球に沿うような円形ですが、第一宇宙速度以上のスピードを出した場合、スピードが速くなるにつれてボールの描く軌道がどんどん大きな楕円を描くようになり(投げた位置の地球の裏側でボールの軌道が大きく膨らむ)、最後には地球の重力を振り切って飛んで行ってしまいます。

地球の重力を振り切るために必要なスピードのことを第二宇宙速度(約 11.2 km/s)、地球だけでなく太陽の重力も振り切ることができるスピードを第三宇宙速度(約 16.7 km/s)と言います。

地球よりも太陽の方が重力が大きいですから脱出するためのスピードはその分大きくなります。

図:地球上で野球ボールを投げた場合

上図について、1番内側の軌道は第一宇宙速度で投げた時の軌道、楕円の軌道は第一宇宙速度よりも速いスピードで投げた時の軌道、第二宇宙速度以上で投げると地球の重力を振り切ってボールは飛んでいきます。

 

では光のスピードはどうでしょうか?

光のスピードは約30万km/sなので第三宇宙速度ですらも優に超えていますから、光は地球や太陽の重力を余裕で振り切れることが分かります。

ここでお気づきになった方もいるのではないでしょうか? 実は「ブラックホール」と「光」の関係は、それぞれ「地球や太陽」と「野球ボール」に似ているんです。

野球ボールの場合、一定のスピード以上を出さなければ地球や太陽の重力を振り切ることはできませんでした。

これは光も同じです。

ブラックホールほどの強い重力になってくると、光ほどのスピードをもっていたとしても振り切ることができないのです。

つまりブラックホールの重力から逃れるには光よりも速いスピードを出さないといけないということですね。

もちろんそんなことは無理ですが。

 

まとめ

いかかでしたか?

今回はブラックホールの仕組みについてご紹介しました。

光がブラックホールから脱出できない理由も分かっていただけたのではないでしょうか。

ぜひ参考にしてみてください!

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